…好天気に誘われて今週末も海へ。同じ場所では芸がないので本日は昼前のK海岸に向かう。折りよく今日は中潮(潮位46cm、13時11分)、打上げFD狙いではあったが、ここのところ寒さが続いていたので、そこそこ寒さに強い種でも弱りぎみになっている可能性もあり、息絶え絶えの?生貝狙いも、と心に秘めていた(この手の狙いは中潮くらいの方がよいようだ)。
さすがに連休中とあって道路は混んでいたが、この海岸は人が少なく、先週のような注目?を浴びずに済みそうだ。風は弱く日差しが柔らかで、コートが要らないのはありがたい。花粉除けのマスクを装着し、長靴を履いていざ磯へ。
とりあえず中潮帯の潮溜まりに狙いをつけ、片っ端から覗き込む。さすがに水は冷たい。岩陰の貝だまりでクロ亜成貝FDを拾う。さらに潮溜まりの中にはキイロとハナビラのFDがちらほら。ハナビラの方が新鮮でほぼすべてが成貝である。ハナマルはまだがんばっているのか、FDの数は少ない。
何となくキイロとハナビラを拾いつつ先に進むと、海水が結構流れ込む入り江のようなところに出た。海藻の生えているラインをずっと見ていくと、岩のくぼみにぴかっと光る黄褐色の姿が。ハツユキ!0.1秒後、サイドにちらりと外套膜らしきものも確認。狙いがハマッての生貝GETである。しかもこの海岸では生は初。よしよし。
普通種ではあるが、生、しかも狙い通りのシチュエーションでのGETに一人青空の下、莞爾とする私。この海岸ではオミナエシが強く、あまり打上げ殻も見かけなかったが、やっぱりいたかという感じ。さすがに寒さが堪えているのか、取り上げてつついてもほとんど動かなかった。
ここで強欲モードが発動、2匹目のどじょうを狙って波打ち際の岩をなめるように見ていくと、岩穴から黒い殻がちらりと見える…が、ちと様子が変だ。ピンセットで引っ張りだそうとして状況が飲みこめた。腹側に巻貝が幾つもついて肉をむさぼっている。取り出して見ると40mmほどの大型ハナマルであったが、肉食性の貝に襲われもはやご臨終の体(外套膜部分が結構食われていたようだ)。返そうかと思ったが、かなり大きくて立派だったので持ち帰ることに(せこい)。それにしても寒さで弱ったタカラガイはこんな感じで最期を迎えるのであろうか…合掌。
さらに大きな潮溜まりを覗いていくとハナビラ・キイロFDが続々。そんな中、何か妙な個体を発見。すぐに花弁模様を欠いたハナビラ成貝と分かったが、つまみ上げて見るとまだ肉が入っている。つい最近まで生き残っていたのもあったのか。同じ潮溜まり中にはオミナエシの生貝もいくつか見かけたが、さすがに外套膜も出さずにじっとしていた。
探して探して岬の先端部まで来たので、さらにあまり足を踏み入れぬ岬の北側を覗いてみる。が、ゴミが多く水もにごった感じで宝の気配ゼロ。気まぐれにたまたまいたこぶつきのアカヒトデを手術して、ヤドリニナ1ケを摘出したのみで退散、潮も上げ始めたので撤収した。
…状況から見て、キイロハナビラはすでに死に絶え、ハナマルもそろそろの模様である。ハツユキやシボリ・サメ・ナシジなど、そこそこ低温でも耐えられそうな連中は果たしてどうなるか?今度は水温を計ってみるかな…。