…いよいよ師走最初の夜干潮。気温は10℃前後か、ネットで見るに水温は18〜9℃と高そうで、去年と似ているか…?。先月は影も形も見えなかった南方系の貝がどうなっているか、期待半分・不安半分でK海岸へと車を走らせる。
誰もいない駐車スペースに車を止め、身支度しようと外へ出ると波の音が大きい。海面に白波も見える。聞いてないぞ…と思いつつも、そそくさと磯へ踏み込む。干潮まであと2時間、昨年クチムラサキ生を見付けたポイントも白波が…うーむ。
まいったなあ、とひとりぼやきつつとりあえず手近な岩下をのぞき海藻をめくる。わかっていたことだが何も見付からないので、徐々に北の岩場方面へ移動する。波が引いた瞬間、顔を傾け海面ぎりぎりで岩下をのぞき、波の音とともに逃げるのを繰り返していたら頭がぐらぐらしてくる感じ。ようやくオミナエシ・ホシキヌタがちらほら出始める。状況は昨月とほぼ同様であるようだ。
…潮は引いているものの、白波に苦戦しつつじわじわと探索し始めて1時間あまり。少々疲れたので、岩と岩に挟まれた波しぶきを避けられる場所を狙う。っと、ここにもホシキヌタが。結構大きめできれいなのがこぶしほどの岩穴に潜んでいる。「お宝の周りにお宝」の法則に従いそのあたりに目を走らせると、前方の潮に濡れた岩の表面、小さな海藻のかげに黒い螺塔とかすり模様が一瞬ちらりと見えた。
…ん…………???????
…態勢を立て直してじっくり見ようとしたら、どこだかわからなくなってしまい、ちょっと焦る。足下は潮が流れ込んでおり、仮に下に落ちていたら最後見付かりそうにない。1分…2分…気のせいだったか?という疑問が頭に湧きあがったそのとき、ようやく見付け直してほっとする。ライトを嫌ったのか、お宝はじわじわ移動していたのだ。目を近づけて見れば黒っぽい地に茶色のかすり模様、真っ黒な軟体の幼貝。
…ヤクシマ、いやハチジョウ?
少なくともレギュラー陣ではないと確信して慎重に手に取り、ごく薄い殻を守るため海藻を詰めたケースにキープする。
やや強欲モードに入り、気を取り直して探索を再開したが、その後は女郎花・★砧・目のみ。昨年キイロやハナビラを見付けたエリアをのぞいたが、影も形もなし。花丸にもとうとう出会えずじまいであった。ドラマといえば、昨年もここで出会った磯もの狙いの兄さんにまたまた声を掛けられたのに驚いた程度。波しぶきに苦戦しつつ岬の先端ものぞきに行ったが、何も得ることなく午前1時前に探索を終了、撤収した。
うーん、今年は南方系は少ないのかなあ…。問題の幼貝は…さて?