宿へと戻る車の中で、もう一度昨日の行動を思い出してみる。海から上がって荷物をまとめる前、浜の岩陰に座って一休みしたとき、水中眼鏡をその辺に置いたかもしれない。となると、その後の満潮で流された??とにかくもう一度C浜をさがして、ダメなら次の手を考えるしかない。
「誰かに拾われて持って行かれてたら終わりだよなあ」と思いつつ再びC浜へ。潮はまだかなり満ちていたためか、まだ自分以外の足跡は無し。
まずは休んだ岩陰を見る。なし。
…となると後は…?
波打ち際から海へ。ここはリーフエッジまでは近いのだが、波打ち際から何カ所かえぐれて深目の潮だまりが幾つか出来ている。流されたのならここに?最初の潮だまりをのぞく。
…!!!!!!!!!!!!!!
…枯葉に埋もれるように、沈んでおりました。
やれやれ…。それにしても、片付けや準備の時に気がつけよな…。
ほっとしながらも自分のボケぶりにあきれ果てつつ、すぐさま車を三度目のキタイ浜へ向ける。さすがに三度目ともなれば道無き道にもルートは出来ており、かなり引いた波打ち際を歩き、岩穴をくぐり抜けてキタイ浜へたどり着く。
時は昼過ぎ。引き潮はこれからだからと気を取り直してクレバスからエッジへと向かう。周辺の暗がりや岩下をのぞき込んでいくと、大きなお宝が口を見せて転がっている。ムラクモ!と思って近づくと背中は無くなっている。うーむ。近くの岩穴でも潜っていたのかも知れないがカラッパにでも先を越されたか。
これが「予感」じゃないよなあ、と思いつつさらに探索続行。結構がんばったがエッジ付近はこの程度。潮が上げ始めた頃から浅場に戻って珊瑚礫めくりに従事したが、ハナマル・ヤクシマのみ。コモン岬沖まで回ってみたが、コモンは一つもなし。後学のために幾つか貝を袋に収め、夕刻になったので撤収することに。忘れ物がないように何度も確認して浜を発つ。最後、都合6回目の「道無き道」をたどり、車に戻ると…ん??
…今度は眼鏡がない。
最後に蔓草をくぐり抜けた時、はじかれたに違いない。しかし、やばい。眼鏡無しで探すとなると…藪の奥深くに落ちていたらお手上げだ。
何なんだ今日は!と毒づきながら戻る。確かこの蔓に引っかかったはず、とその直下から捜索開始。
…!!!!!!
…落ち葉の上に鎮座しておりました。
やれやれ…。今日の「見つかる予感」は眼鏡だったのかなあ。日を跨いだ自作自演の失せモノ発見劇に振り回され、お宝どころではない2日目となったのであった。
3日目:2015年 8月 16日(日)
「見つからない心配」
明けて3日目。昨日の轍を踏まぬよう準備を入念に整えて出発。本日は元気のあるうちに行軍の必要な男浜を目指す。天気はいい感じ。ロマンティックなスーパーで買い物をしたのち、車を止めて行軍開始。潮はほぼ満潮。
照りつける日差しに干からびそうになりつつ20分後に男浜に到着。そそくさと準備して入水。まずは手前の浅場から。年によってお宝の気配に差が大きい場所。昨年は良かったのだが、2年続けていい試しはなかったので心配だったのだが…。
案の定というか、気配が極端に薄い。キイロを見た程度。リュウキュウはガスの死殻を一つ見たのみ。うーむ。少し場所をずらしたがコモン1が出たくらい。こういう時はまず難しい。そんな中、どこかのダイバーさんが流したのか、小物入れ的なネットを拾う。収穫物を入れるのにちょうどいいなあ。
…手前は捨ててやや沖目のクレバス地帯へ。死珊瑚をめくってみるが、ハナマルが少々。うーむ、厳しいなあ。
では、と珊瑚と狭い砂地が連続する場所に転戦。潮通しが良く綺麗な砂地に結構いろいろなものがいるのが去年わかったので、礫をめくりつつ後学のため砂地もあさってみる。やはりタケノコ方面がぽろぽろ採れる。面白がって進んで行くと見覚えのあるお宝が転がっているのを発見。
…スソヨツメFD。
これは台風の余録その2か?ここにもいたのか…よしよし。
さらにタケノコ以外の生貝も幾つかゲットし、時計を見ると12時過ぎ。一度戻って補給したのち、一つ手前の浜の沖を狙う。浅場の転石をさんざんめくったがこれといった収穫は無し。うーむ。
一旦浜へ戻り、どうするかを考えたが、別の場所へ移動をするのも面倒くさく、場所を奥へずらして最後の探索へ。潮が上げ始め、浅すぎて入れなかったところを狙う。ちょいちょい砂地もあったので、漁りつつ前進。お宝系は特筆するようなものはなし。砂地系の貝を少々追加したところで時間切れとなり、撤収した。
この浜を狙ったのは2011年からであったが、これでお宝方面の濃さは○××○×という結果となった。次にいいのは再来年かあ…と妄想しつつ、生の待つ宿へと車を走らせたのでありました。
(つづく)
…スソヨツメFD。擦れやすい貝なので結構珍しいか。