昼前に空港に降り立った男は早速補給物資を購入し、南下。初日は毎度お馴染みの(とはいえ2年ぶりの)Gポイントへ。
さて浜についてみると、沖目で轟音が。誰かは知らぬが水上バイクを走らせている。さすがにそのただ中へ入水するのは避けて若干南方向へ。家族連れがカヌーで遊んでおり、そこまでバイクは突っ込んでこないだろう。
さっさと着替えて入水。水はさすがに温かい。が、遙か東のナルトの影響なのかうねりが結構ある。アマモ帯あたりからちらほら見えている死珊瑚を返していく。
…と、ナツメモドキの連打。相変わらずここのは小型で白いcaerulescensタイプ。さらにホシキヌタ・キイロ。続いてヒメホシ。浅場でお馴染みの顔が次々に顔を出す。何か生き物の気配は濃厚な感じ。
期待をこめてさらに返すとリュウキュウが登場。若干若いのでスルー。すぐ次の死珊瑚で2つ。気を良くして見ていると、そのすぐ横の小穴に気になる2つの斑点が。状況的にサバ系だが?
…ほじくって取り出すと小さいながらニセサバ。
なぜかは知らぬが、巡り合わせが悪かった貝。よしよし。
…さらにめくっていくと今度はサバ。さらに大きめの礫下からホシが登場。ここらで出そうなお宝は一渡り出たかな、という感じ。
同じ顔ばかりではしょうがないのでさらに沖目へ。潮はちょうど満潮の気配。エッジ付近も白波はないが、うねりはかなり来る感じ。エッジ付近にはかなり巨大な礫があったので、一発狙いで力試しを行ってみる。すると一つ目の礫下から転げ出て暗がりへ落ちていく、丸っこい中型お宝の姿。
…両サイドがかなり肥厚。そして背中が黒っぽい感じで丸抜けの斑点が。
…もしや??
胸の高鳴りを押さえつつ、礫の隙間に転げ込んだお宝を大急ぎでつまみ出す。…0.1秒で同定完了。
…立派なヤクシマでした(笑)。
…これで気が抜けたのか、後は特に続く物はなし。相当沖に出ており、時間も気になったので浜近くへ戻りつつ、リュウキュウエリアで探索を続行。シラタマ系でも出ないか、と思っていたが、結果はこれでもかのリュウキュウ。産卵間近らしいペアなども見られ、産地が健在で何よりであった。さらにきれいな砂地を掘り返し、例によってタケノコ方面を少々ゲット。そんなこんなで結構長時間潜水となり、ヘロヘロしながら浜へ上陸した。
その後、車を飛ばして本日の宿へ。かなり遅くなってしまったので、適当に買ったよくわからない寿司セットとペールエール、山羊乳ヨーグルトという妙な組み合わせの夕食を食べ、急性転石性肩痛を濃厚な飲用燃料でごまかしつつ、眠りについたのでありました。
2日目:2015年 9月 21日(月)
「とある岬で自作自演」
…明けて2日目。果たしてどこを攻めるか?昨夜も今朝もどうしたものかと考えたが、結論は出ず。取りあえず幾つかの浜を偵察しつつ、エッジが結構近い感じのP浜に行ってみることに。ここは数年前の修業で大潮干潮の時、磯でヤクシマやヒメホシなどの生宝の他、アミメの打ち上げを結構見たポイント。潮は速くうねりは心配だが、リーフに守られた浅場もあるので、ダメな場合の保険にはなるかと思い向かってみる。
行く途中の打ち上げポイントの浜は、BBQと水上バイク軍団が占拠しておりスルー。さっさと へ。ここも今日は家族連れが多い。しかし、遙かに望むとリーフエッジは…巻き巻きウエーブ(cX兄さん)。うーむ。家族連れと一緒に入ってもしょうがないので、人のいない岬の先端部へ行ってみる。途中、アミメやらさまざまなガス打ち上げを集め、豊漁祈願のトラップを岩の上に奉納。
しかし、白波は大きく速く、これではエッジ付近は探索どころではなさそうな気配。
ということで、とりあえずエッジよりは内側だが、地形的に潮が複雑に流れそうな所へ。時間は昼過ぎ。ちょうど満潮か。
もくろみ通り、結構な潮の流れ。魚たちも姿勢を保つのに苦労しています、という感じ。そこはかとなくいい雰囲気だったので、手前から礫をめくり始める。…と、やはりナツメモドキの連打。だが、ここのは結構大粒なものが多い。ふーむ。
さらにハナビラ・キイロの連打。流れの速いところとはいえ、やはりリーフ内超浅場ではこんなものか。なかなかあとは続かず、ようやく転げ出た一瞬ホンサバか、と思わせるサバで手打ちとして海からあがる。
荷物をまとめて戻る途中、かなりの深みがあったので、荷物を浮き袋代わりに泳いで渡ろうとしたら、肩ひもがすっぽ抜けて海中へ。よく考えたらウエイトやスクレーパーも入っているのでそんなに浮くわけはない。水中メガネやフィンも中に入っていたので潜ることもかなわず、場所をよく確認し、とにかく泳いで車へ戻る。参ったなあと思ったが、幸い家族連れの多いこの場所は、有料のシャワーや着替え室があり、そこでメガネやフィンも貸し出している。事情を話して道具を借り、現場へ取って返す。ド派手な朱赤色の袋なのですぐに発見して救出。やれやれ。
…油断してはいかんなあ。X島といい何ともボケ過ぎた失敗が多すぎる。うーむ…。
帰路、昼はごった返していたであろうF浜へ。夕やみ迫る中。打ち上げ帯を見たが、ガスのトンボガイを見たくらい。一時これでもかとあったSP系の貝は見当たらず。うーむ。新規供給がないとやっぱりダメか。
…夕食はタッチの差で狙いのそば屋に振られたため、大して混んでもいないのにやたらに待たせる店で中身そばを食し、ペールエールと古酒がある部屋へと戻っていったのでありました。
(つづく)