…開始早々、来た甲斐があるものを発見できて意気が上がる。よしよし。
月明かりがかなりあったので、暗闇に潜むものもいそうか、と転石も試みる。すぐにハナビラのペア。これまたしっかり老成している。ハナマルもぽつぽつ。すぐまた岩陰にナツメモドキ成貝。とにかくいろいろと飛び出してくる。お宝の香り濃厚ないい感じ。
生ウキかカモン、サバ系あたりが飛び出さないかと気を入れて転石を続けると、50cmほどの礫を裏返した刹那、やや大きめの褐色の塊が落ちていくのが見えた。藻のようだが明らかに違う。オミナエシか??濁りが晴れるのを待って落ちていった先を凝視する。程なく見つけて指でつまんだ時、サイドに大きな斑紋が見えた。
コモンダカラ!
手にとって見ると、しっかり老成している。南紀やX島では普通すぎて軽んじられている感があるが、北限近い当地では、若い成貝はよく打ち上げられているのを見るが、生は意外にも自己初。やや深めなのかもしれないと思っていたが…。
とにもかくにも生初はうれしい。強欲モード発動!
…ここからハナマルタイムへ突入。久々に個体数の多さを感じる。めぼしい岩穴や割れ目には必ず入っている。そのためか、シボリやホシキヌタ、メ、オミナエシはさっぱり目立たない。
そんな中、岩陰でコモン成貝1を追加。これも厚みのある老成した貝。さらにクロ2つも発見。ひとつは穴の奥深くで断念、ひとつは何とか引っ張り出す。いいぞ。
ふとわれに返ると1時近く。潮が早くもあげ始め、波も激しさを増している。やや疲れを感じつつ覗きこんだ岩陰に大きな丸い姿。黒っぽい縞も見える。ヤクシマ!
まだ口はできていない感じだが、かなり成長した幼貝。すぐとなりにもう少し若い個体も確認。引っ張り出そうと思ったが、殻が薄くて割れそうだったのでスルー。何とか口ができるまでがんばれよと呟いて立ち去る。
やや疲れを感じ、風はないのだが波はますます高まってくるようなのでここで撤収とした。
夏の高温や水温上昇のせいか、予想通り南方系が強そうな感じであった。これは年明けまで楽しめるか???